Windows 11の新機能において最も話題となったのが、AndroidアプリをPCで使用できるようになることではないでしょうか。実装までにはまだ数か月かかるとされており、残念ながら先日リリースされたWindows 11ではまだ使うことはかないません。
しかし、今までのWindowsでもAndroidアプリをPCで使う試みは各方面で行われております。PCにおけるAndroidアプリの現状や使用することのメリット、刷新されたMicrosoft社が提供するストアについてじっくり見ていきましょう。
Windows 10とAndroidアプリ
PCでAndroidアプリを活用する試みはWindows 10の時代から行われています。具体的な例としては、Microsoft社の「スマホ同期管理アプリ」やAndroidエミュレーターの活用などがあげられます。それはいったいどのようなものなのでしょうか。
「スマホ同期管理アプリ」の実情
そもそもMicrosoft社は、PCからAndroidのアプリを使えるようにする「スマホ同期管理アプリ」を既に提供しています。これはPCとペアリングしたタブレット端末などを遠隔操作し、その画面をミラーでPCのトップ画面に表示させるアプリです。そのため、アプリを起動させているのは、あくまでタブレット端末に内蔵されているOSとなります。
便利なアプリではありますが、ペアリングや接続がすぐに切れたり、PCとのデータのやり取りの不便さや端末のバッテリーの消費が激しいなど、多くの課題を抱えている実情があります。もし、Windows 11の中にAndroidアプリを稼働させるシステムが組み込まれれば、他の端末に依存する必要がなくなるため、これらの問題を一挙に解決することができるでしょう。また、Windows 10であった2015年にもAndroidアプリをPCで動作させる試みは行われたものの、この時は実装まで至りませんでした。6年越しのこのタイミングで実現することが望まれます。
Androidエミュレーターの問題点
PCでAndroidアプリを使うことは、実はWindows 11でなくとも可能です。スマホゲームをPCの大きな画面で楽しみたい人が、Androidエミュレーターを利用してデスクトップで楽しむことも行われています。Androidエミュレーターをインストール・利用することで、PC上に構築されたAndroid OSを使ってAndroidアプリを起動させることができます。多くのユーザーによって利用はされていますが、Microsoft社から認証を受けていない非公式なアプリですので導入は自己責任となります。また、使用したいアプリによっては、こうしたエミュレーターの使用を禁じている場合もあるため注意が必要です。
違法では無いものの、Androidエミュレーターに対して忌避感を持っている人も少なくないため、Windows 11で正式にAndroidアプリが使えるようになることは喜ばしいことです。
PCでAndroidアプリを利用するメリット
本来スマホ用に構築されたAndroidアプリを、わざわざPCで使うことにどのようなメリットがあるのでしょうか。
アプリによってはPC版は機能が制限されることも
基本的にAndroidアプリ、スマホのアプリはスマホでの使用に重点をおいているため、PC版のアプリではレイアウトや画面サイズが見にくかったり、機能が制限されていたりと使い勝手が良くないことがあります。スマホアプリをそのままPCで使用できれば、スマホとの操作の違いに煩わされることなくスムーズに利用可能です。
ただ、オフィス系のアプリの多くはAndroid版とPC版の両方が提供されており、それぞれに合わせた機能の調整がされているため、素直にデバイスに適したアプリを入れたほうが良いでしょう。
他の端末やAndroidエミュレーターを介さず利用できる
Androidエミュレーターは違法ではないものの、使用中に起きた不具合に対してMicrosoft社による保証が受けられません。その点、エミュレーターの機能をWindows 11が賄うようになれば、安心してPCでAndroidアプリを使用することができるようになります。また、スマホ同期管理アプリのように他の端末に依存する必要がなくなるため、スムーズに利用できます。
実際のところ業務に使用するオフィス系のアプリは、PC版も提供されていることが多いため、やはり大画面でゲームを楽しみたいゲームユーザー向けの機能と言えるでしょう。
Microsoftストアの中身を確認してみよう!
本来Androidアプリの購入はAmazonストアを利用する予定となっています。残念ながらまだ実装されていないため、今回はリニューアルされたMicrossoftストアの中身を見ていきましょう。
ホームで全体のトピックを確認
ホームからは、アプリやゲーム、映画やテレビなどの各カテゴリのトピックが確認可能です。上部のスライダーには、便利なオフィスアプリや新作のゲームなど特に旬な話題がピックアップされています。
今話題の「Discord」もピックアップされています。「Discord」は、ゲーム性の高いコミュニケーションアプリで、2019年5月の時点でユーザー数が2億5000万人を超えた注目アプリです。
もちろん、Microsoft社やAdobe社のアプリを始めとした、様々なオフィス系アプリやクリエイティブ系アプリも充実しています。Amazonアプリストアのアプリもここから確認できるようになり、選択の幅が広がっていくでしょう。
実装が待ち遠しい!Androidアプリ
現在のところAndroidアプリ対応までの具体的なスケジュールは明らかにされていませんが、AndroidアプリがそのままPCで使えるようになり開発の負担が減れば、今後のアプリ開発にも弾みがかかることでしょう。Amazonアプリストア経由で入手できるアプリには限定されますが、それでも数多くのAndroidアプリが使えるようになります。仕事の効率をあげる様々なアプリや余暇を楽しむゲームアプリの活用で、ますますPCライフが充実しそうです。